金沢まち・ひと会議

PHOTOGRAPH | 木曜日 15 5月 2014

露結手水鉢落葉重ね

露結手水鉢落葉重ね

晩秋から冬にかけて雨の多い金澤の紅葉は、落葉してからの楽しみも多い。
濡れた枯葉は長い間艶を保ちながら地面や石段、周り中を鮮やかに彩って風景を一変させる。

卯辰三社への入り口千杵坂脇にそっと鎮座する古い大きな手水鉢に落葉した紅葉が幾重にも層を作って沈んでいた。

蒔絵を施した透明な板を何層にも何層にも重ねて苔むした石枠に嵌め込んだ工芸品・・・そんなコトを夢想する。ちょっと怖いくらい美しい水と紅葉の光景。
※この写真では分からないけど「露結」(と正面に大きく彫られている)の意味については例えばこちらを参照。加賀藩にも縁のある小堀遠州が「莊子」の「得魚而忘筌、得兎而忘蹄」の一句から汲み取った深い意味を背後に秘めた二文字。
2013年12月1日16時28分撮影
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PHOTOGRAPH | 水曜日 23 4月 2014

金澤桜絵美術館

金澤桜絵美術館

兼六園と金沢城公園は桜が最も美しい期間、一週間以上に渡って夜間ライトアップ&無料開放される。観光客にはモチロン、金澤人にとっても仕事、学校終わりにゆったりと園内、城内の桜を楽しめる嬉しい時期。(金沢城公園は通年無料)
金澤の桜の醍醐味は、月を眺める時と同様に「前景と背景が調和した瞬間を絵の様に」味わうトコロにある。石川橋から桜霞を眺める、お堀通りから石垣に二段構えに咲く桜を見上げる、金沢城公園内、切手門脇に立つ老桜と対面する・・・様々に調和する美しい桜風景の中から「さらに自分好みのポイント」を見つける贅沢な楽しみ。沢山の絵画が飾られた巨大な美術館の中を歩きまり、自分の一枚を品定めする様な。

ゆっくりと淡く染まりゆく空を背景にそびえ立つ、3年を超える時間をかけて可能な限り当時のままに復元した金沢城菱櫓(元々残っていた石垣を極力活かして新しい石垣を繋いでいる様子が写真からも分るでしょう)と桜が創る堂々の立体絵画。この日この時だけの。

2014年4月11日18時24分撮影

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PHOTOGRAPH | 日曜日 5 1月 2014

金澤回り舞台 晩秋 宝泉寺五本松

金澤回り舞台 晩秋 宝泉寺五本松

ここで何度も手を替え品を替えトピックにしている「金澤冬の回り舞台」。
晩秋からしばしば発生する「目まぐるしく移り変わる天候」はとても表情豊か。
その年その日その時、その場所だけのダイナミックで美しい光景が展開する。
確かに・・・雷が鳴りみぞれまじりの雨が降り低い雲が垂れ込めている時間も多い。
(何度か言ってるけどそれは冬限定の話。春〜晩秋までは金沢の方が東京よりも日照時間が長い)
だけどその天候にかなりの確率で混じってくる「つかの間の晴れ」が金澤の醍醐味。
この眺めは芥川龍之介やドナルド・キーンが絶賛した宝泉寺、五本松から。
こうやって広く空を見渡すと狭い旧市街の上にいろんな空が展開しているのが良く分かる。
金澤人には見慣れた、でも一般的には・・・おそらくちょっぴり不思議な風景。2013年11月18日 16時12分撮影

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PHOTOGRAPH | 土曜日 4 1月 2014

瓢池水鏡 兼六園ライトアップ

瓢池水鏡 兼六園ライトアップ

年に何度も開催されるライトアップ夜間無料開園。9月中秋の名月鑑賞無料開園の次は、11月後半週末2回連続開催の「秋の段」で年内はお仕舞。

藩主が何代にも渡って創り上げアチコチに見所が存在するこのお庭。雪吊りの見事な唐崎松が反映する霞ヶ池も素晴らしいけど、ここ瓢池周りのライトアップも多くの人を楽しませる。(ちなみに五代藩主がこの付近に「蓮池御亭」と称する別荘を建てたのが兼六園の始まり)西側斜面を巧みに活かした作庭。畳み掛けるように配置された木々が照明によって一層鮮やかにダイナミックに。

水面に張り出した三芳庵水亭で食事をする人たちも含め一枚の絵画の様な・・・秋の終わりの光景。

2013年11月24日 19時45分撮影

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PHOTOGRAPH | 金曜日 8 11月 2013

金澤回り舞台 晩秋 卯辰山見晴台付近

金澤回り舞台 晩秋 卯辰山見晴台付近

 

春から晩秋までの東京よりも長い日照時間(ここ20年の気象庁統計による)を一気に逆転する初冬からの天候の印象的が強く、長い間「暗く閉ざされた北陸の冬」みたいな誤解が広まっていた。

確かに金澤の冬は曇りや雨が多い・・だけどその隙間隙間、プラチナを溶かした様な青空から鮮烈な陽が差して濡れた街がキラキラ輝く光景が多く出現する街でもある。
紅葉も始まったばかりの、朝から降ったり射したりゴロゴロ鳴ったり忙しい日の夕方、茶屋街からクルマで数分のこの場所に空を眺めに出掛けてみた。輪郭を眩く輝かせながらゆっくり流れる雲、太陽が四方八方に大見得を切るかの様に光の筋を伸ばし、なかなか見応えのある舞台。時々辺りの森全体を轟音を立てながら風が吹き抜けていく・・
余談だけど初代「中村歌右衛門」は金澤の生まれ。お墓は卯辰山山麓、東山の真成寺にある。
2013年11月07日 16時21分撮影
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PHOTOGRAPH | 木曜日 3 10月 2013

浅野川蒼鷺蒔絵

浅野川蒼鷺蒔絵

9月終わり近くの深夜、浅野川大橋を渡っていてふと、ナトリウム灯の黄色い煌きの中に長い影を作っている蒼鷺が目についた。

黒漆塗で仕上げた様な艶のある川面、ナトリウム灯が金粉を撒いて・・・図柄は鷺、そんな趣。浅野川蒔絵。日常に溢れる美。金澤らしい味わいのある風景。

2013年09月28日 23時54分撮影

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PHOTOGRAPH | 水曜日 4 9月 2013

見上げ月 尾張町ギャラリー三田

見上げ月 尾張町ギャラリー三田

金澤には古い町家も沢山あるけど特徴のある古い洋館もそこそこ現存している。特に明治から昭和中頃まで金澤の中心地だった尾張町界隈には多い。

このギャラリー三田(旧三田商店)もなかなか凝った建築意匠を持ち、洒落た存在感を放っている。

夜明けに近い頃、尾張町の大通りをフラフラ歩いていてふと、月が浮かんでいるのを見つけた。まだまだ明るい十八夜、見上げた空高く昇った居待月と築80年を超えた個性的な洋館とのさり気なく美しいマッチング。 2013年08月26日 04時04分撮影

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PHOTOGRAPH | 火曜日 3 9月 2013

見上げ月 主計町

見上げ月 主計町

道の狭い旧市街では月は空高く昇った後も家並みと調和しながら多彩な光景を出現させる。

ここは茶屋街、主計町の裏路地。画面奥、あかり坂へ続く路地の入り口付近でしゃがんでいるのはお勤め終わりの芸妓さん。この界隈で人気者の猫達をあやしている。

この夜もそうだけど雨が多い金澤は朧月夜の多い街。

空全体に豊かな陰影を付けながらゆっくり流れていく雲間から覗く月明かりの下の優しく美しくちょっぴり妖しい風景。

2013年08月22日 23時14分撮影

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PHOTOGRAPH | 木曜日 11 7月 2013

夏雲 浅野川天神橋夕景

夏雲 浅野川天神橋夕景

一年を通じて比較的湿気が高い金澤は、濃い香りに満ちる街であると同時に・・飛行機雲が美しい街でもある。(一般的に湿気が多いほど飛行機雲は出来やすく長く残る) 7月のアタマ、昼間の燃えるような暑さと引き換えにこの日もとても濃く美しい夕暮。 浅野川の天神橋から刻々変わりゆく空とそれを反映する川面を眺めていると、頃合いを見計らった様に飛行機雲が左手から伸び出した。 一本の濃い白い線が、真っ直ぐに真っ直ぐに夕暮の空に描かれていく・・・夕暮のショーに合わせてもう一つのLiveパフォーマンスが彩りを添えている図。 2013年07月01日 19時05分撮影

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PHOTOGRAPH | 木曜日 11 7月 2013

西外惣構 紫陽花図

西外惣構 紫陽花図

旧市街中心部を二重に取り囲む惣構はお城の守りを強固にするために構築された土塁と堀(東と西、内と外で計四本ある)そのため他の用水とは違って片側(この写真だと右側)が盛り上がっている。

元々は堀底から最大9メートルもあったらしい。明治に入ってからかなり埋め立てられてしまったけどアチラコチラに不思議な段差とフワッと抜けた景色を作っている。
狭い路地の中に突然出現する「広見」と同様に「総構堀の段差」は旧市街の重要なアクセント。複雑な地形の面白さをさらに味わい深くするスパイス。
梅雨の半ば、一層鮮やかさを増した紫陽花と湿り気を帯びた石垣、お堀の鈍い煌めきで構成された、さりげなく美しい一コマ。
ここは美味しい飲食店がひしめく柿木畠の入り口。つくる人(料理を)も食べる人も自然に目にする普段の光景。食文化の高さのヒミツ、実はこんなトコロにもある。
2013年06月30日 14時30分撮影
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