金沢まち・ひと会議

| 土曜日 20 12月 2014

金沢まちづくりキーマンインタビュー(1)浦淳さんpart2「いまの金沢というまちについて感じていることはありますか?」

(part1からつづく)

ひきつづきおうかがいしたおはなしを紹介しますが、基本的にきっかけ→いまのまちにおもうこと→将来について、という順番でお話をおうかがいしています。part2はいまの金沢というまちについて感じること、です。

2.いまの金沢というまちについて感じていることはありますか?

水が美味しいとか、自然のいろんな条件があって金沢が成り立っているということが重要なのです。奇跡的な条件、歴史と自然が重なって今の金沢のこの豊かさがあるということを大切にしないといけないのでしょう。

現代の金沢の良さですが、21世紀美術館ができてから、とても変わったと感じます。 僕が子供の頃は良かったですが、一時期「伝統」に偏りすぎて、外の力を取り込むことを忘れていた時代がありました。でも現実は、伝統は誰かがつくったものであって、誰かが伝統をつくっているわけなのです。閉塞感を打破してくれたのが21世紀美術館だといえます。

21世紀美術館はまちなかに白い楕円で、伝統的でないとダメだと言われ、当時反対の声は大きかったのです。「なんで金沢に現代アートなのか」という反対の声があったわけですが、でもそれは違うと思います。絶滅危惧種を守ることは大事ですが、保護ばかりしていると、適応能力が縮んでいくわけで、進化が必要なのです。つまり、(古くからある)希少種は大事だが、大事にし過ぎると息苦しくて新しいものが何も出てこなくなってしまうわけです。それは自然に逆らっていると思います。21世紀美術館ができるといろんな人が集まってきました。そして、もともと伝統的なもので、とてもいいものが金沢にはあるので、それと掛けあわせてなにか新しいものが生まれていかないかな、というのが今の状況だと感じます。そういったことができるのは、地方都市でも金沢くらいではないでしょうか。

21museum

金沢21世紀美術館